ショートクランクを使うとケイデンスが上がるか?

ショートクランクの話です。

当フィッティングでも2012年のサービス開始以来、フィッティングでは多くのサイクリスト・トライアスリートのクランクの長さについてアドバイスしてきました。

クランク長を長くしたサイクリストもいれば、短くしたサイクリストもいます。

メディアも近年クランク長についての記事があったりしますし、海外の理論を多く取り入れるようになりました。

この問題はもっともっと熱く議論されて良いと思います。
欧米人に比べて平均身長が低いアジア人がこの問題に関心を持つことはとても良いことで、ようやく国内のバイクショップさんやトレーナーにも理解されてきました。
時代は変化しつつありますね。

さて、

「クランクを短くするとケイデンス(ペダル回転数)あがりますよね?」

多くの方が言われるフレーズです。

どうでしょうか? 私は基本NOと答えます。

なぜでしょう。

では冷静に考えてみましょう。

下記の画像、そうですレコード盤です。

レコード盤の中心をBB(ボトムブラケット)と見立て、それに対するペダル軸位置を示したものです。少々オーバーに書き込みました。

このレコードプレーヤーの回るスピードを一定とすると、どうでしょうか?
レコード盤に物を置いてみます。
内側に置いてある物はゆっくりと動き、外側に置いた物は速く動きます。
蛇足ですが、子供の頃レコード盤に筋肉マン消しゴムを置いて友達とふざけ合っていたことを思い出します(笑)

気が付きましたか?

 

クランク一回転でも脚の動きの速さに違いが生まれ、回転スピードが一定だとするとボトムブラケットに近いショートクランクの方がゆっくり動くのです。

つまりクランク一回転するために、ショートクランクは脚がゆっくり動き、反対にロングクランクは脚を速く動かさなくてはいけなくなります。

 

物理的には。

 

では皆さんが口々に「ケイデンスが速くなった」とかの印象はどこから来るのでしょうか?

1. ギヤ比を無意識に軽くしたかも?

2.ペダリング中の上死点付近での脚の通過が「楽」になりペダル踏み込むタイミングが早くなった。膝・足首の動き(屈曲)が減少、踏む感覚が増えた。

おそらく2番の割合が高くなったための生まれた印象なのでしょう。

つまり動きが悪いサイクリストはクランクを交換するだけでペダリングが改善してきたのですね。

あなたにとってどのくらいのクランク長が合っているのか、ポジションの変更と合わせて行うと非常に効果が高くなります。

クランクを短くするデメリットは、ホビーサイクリストやトライアスリートにとっては少ないかと思います。個々の身体の柔軟性などによりますが試す価値はあります。
長くスポーツバイクを楽しむのであれば、考慮しても良いかと思いますよ。

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特に・・・

パワーメーター付きクランクを購入する予定の方は、バイクフィッティングを受けてから購入するのがおすすめです。

買い替えのリスクを考えると懸命な判断だと思いますよ。

当スタジオにはクランク長150mmからのテストクランクを常備しています。適切なバイクフィッティングを受けてあなたに合ったクランク長を選んで下さい。

 

Happy bicycle riding!

サンメリットBIKE FITスタジオ
伏見 真希門(ふしみ まきと)
IBFI (International Bike Fitting Institute)国際バイクフィッティング協会 Level4会員
BIKEFIT 公認バイクフィットインストラクター
RETUL 公認マスターレベルバイクフィッター
GURU 公認バイクフィッター
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